パリ五輪グループDは「地獄の組」 対戦国パラグアイ、マリ、イスラエルは「日本戦がカギを握る」と警戒 (4ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【「我々は日本のサッカーをよく知っている」】

 イスラエル代表のFWドル・トゥルゲマンは日本戦をとても重要だと思っている。

「グループステージで対戦する3つのチームがやっと出そろった。マリは強いチームだし、パラグアイはテクニックがすばらしい。でも日本は、強さもテクニックも有している。それだけではない、彼らは規律の正しさと冷静さまで兼ね備えているんだ。これは大きな武器だよ。日本と戦う時はとにかく集中して、ミスを起こさないよう細心の注意をする必要がある。とにかくこのグループの行方は、日本戦の結果がカギを握ると思う」

 イスラエルの最大の日刊紙「イェディオト・アハロノト」のウリ・ベン・ヌン記者もU23アジアカップの決勝をつぶさに見ており、その感想をそのコラムでこう述べている。

「イスラエルが戦うグループDの最後の対戦相手が決まった。我々はアジアカップのドラマチックな決勝を、キックオフから見守った。試合を見ながら、私はイスラエルが当たるのがウズベキスタンであってほしいと思った。日本は決してあきらめないチームだった。それは試合終盤に決めた山田(楓喜)のゴールからもわかる。

 またその後、ウズベキスタンにPKが与えられた時の日本も印象的だった。この試合の日本は、たとえ引き分けでもオリンピックには出ることが決まっていた。しかし日本は一切、手加減をしなかった。まるでライオンのように勇猛にGKはPKを止めて、日本の勝利を守りきった。もしイスラエルがこの日本に勝つことができたなら、大会でより遠くまで行けるということだろう」

 そして元イスラエル代表で現在TVコメンテーターを務めるジョシュ・ハレヴィはイスラエルがグループを勝ち抜く策をこう授けた。 

「グループDのなかで一番強いのは、疑いなくパラグアイだろう。しかし、日本も決して侮ってはいけない相手だ。イスラエルはパラグアイに負けるかもしれない。マリとは少なくとも引き分けなければダメだ。そして一番重要なのは3戦目の日本との戦いだ。

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