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谷口彰悟「アジアカップを振り返らずに、前には進めない」ベトナム戦のピッチ上で覚えた違和感の正体 (5ページ目)

  • text by Harada Daisuke

【アジアカップで再認識できたこと】

 すばらしい結果を残したカタールの選手たちに対して、その思いは決して嘘ではない。一方で、カタールが優勝して、代表選手にオフを与えるためか、リーグ戦の再開が急遽、うしろ倒しになった現状も踏まえて、悔しさも湧いてくる。自分の課題に向き合いつつ、その悔しさをリーグ戦でぶつけたいとも思っている。

 また、アジアカップでは、あらためてさまざまなサッカーに触れた。

 実際、僕自身も、日本でやっていたサッカーが普通だと思っていたが、カタールに来て異なるサッカーに触れた。両国で得た知識や習慣が、カタールでいい方向に転じることもあれば、自分の感覚が悪い方向に転ぶこともあった。

 それと一緒で、ヨーロッパでやっているサッカーだけがサッカーではないし、南米でやっているサッカーだけがサッカーではない。世界にはさまざまなサッカーのスタイルがある。アジアカップでそれを再認識できたことは、これからも続くワールドカップ・アジア予選で教訓にできるはずだ。

◆第17回につづく>>
【profile】
谷口彰悟(たにぐち・しょうご)
1991年7月15日生まれ、熊本県熊本市出身。大津高→筑波大を経て2014年に川崎フロンターレに正式入団。高い守備能力でスタメンを奪取し、4度のリーグ優勝に貢献する。Jリーグベストイレブンにも4度選出。2015年6月のイラク戦で日本代表デビュー。カタールW杯スペイン戦では日本代表選手・最年長31歳139日でW杯初出場を果たす。2022年末、カタールのアル・ラーヤンSCに完全移籍。ポジション=DF。身長183cm、体重75kg。

著者プロフィール

  • 原田大輔

    原田大輔 (はらだ・だいすけ)

    スポーツライター。1977年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌『ワールドサッカーグラフィック』の編集長を務めたのち独立。Jリーグを中心に取材し、各クラブのオフィシャルメディアにも寄稿している。主な著書に『愛されて、勝つ 川崎フロンターレ「365日まちクラブ」の作り方』(小学館クリエイティブ)など。

【写真】川崎フロンターレチア「フロンタールズ」2023メンバー12人厳選カット集(48枚)

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