日本代表の北朝鮮戦で福田正博が目を奪われた2人とは? 攻撃陣には「ゴールで評価される働きをしてほしい」 (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro

【攻撃陣は物足りなさが残った】

 一方、攻撃陣に目を移すと、物足りなさが残ったと言わざるを得ない。南野拓実(モナコ)にしろ、前田大然(セルティック)にしろ、上田綺世(フェイエノールト)にしろ、やはりゴールに絡んでこそ彼らの存在意義があるのではないか。堂安律(フライブルク)にしても何かをしてやるという気概は見えたが、結果にはつながらなかった。

 ほかの選手のためにスペースをつくる動きをしたり、前線からのチェイスで後ろの選手たちの守備を助けたりといった、チームへの貢献はしてくれたのは間違いない。

 ただし、これは選手評価の難しいところではあるが、前線の選手たちに対してそこにフォーカスして称賛するのは、彼らに対して失礼な気がする。なぜなら、彼らはゴールを奪う仕事を生業にしているからだ。それだけに次戦では、ゴールという本業で評価される働きをしてくれることを期待している。

 日本代表のW杯アジア2次予選は、次回は6月にあるミャンマー戦(アウェー)、シリア戦(ホーム)となる。

 それまでは、各選手が所属クラブで存在感を増せるように成長を遂げていってもらいたい。なぜなら、選手一人ひとりの力が大きくなり、それをチーム力へと昇華させることができて初めて、日本代表はW杯でのベスト8以上という目標に近づいていくからだ。

 2026年W杯に向けた時間は有限ではないことを忘れずに、一日一日を大事にして取り組んでもらいたい。

プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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