藤田譲瑠チマがシント・トロイデンで実感 日本とベルギーのサッカーの違いとは (4ページ目)

  • 中田 徹●取材・文 text by Nakata Toru

── 今、中盤ではマティアス・デロージ選手がレギュラーを確保しているなか、ボランチの残り1枠を藤田選手と伊藤涼太郎選手が争っています。この競争は激しいですね。

「難しいし、簡単な状況じゃないですけど、やらないといけない。自分と涼太郎くんがふたりで出るのがベストだと思いますが......難しいですね」

 このインタビューを終えた直後のウェステルロー戦(1-0)では、伊藤が久しぶりにスタメンの座を射止め、藤田はサブに回った。藤田のことをどう思っているのか、フィンク監督に直接聞いてみた。

「ジョエル(藤田譲瑠チマ)はプロ中のプロです。サッカーに対して本当にフォーカスしており、彼が練習場に来るのは遅くとも練習開始の1時間半前。彼のライフスタイルからして、将来、負傷に悩まされることは考えづらい。ジョエルのボックストゥーボックスを繰り返すランニングに、私はとても感謝しています。

 今日、私は(伊藤)涼太郎にチャンスを与えました。ジョエルと涼太郎はまったく異なるタイプのMFです。この試合で私は、涼太郎のラストパスを選びました。さらに山本理仁もボランチができます。誰をピッチに送り出すか、それは私にとって難しい問題です」

── 藤田選手の改善点は?

「ナッシング(笑)。強いてあげるなら、空中戦での競り合いですね。彼はともかく経験を積むことが必要。U-23日本代表の一員として国際経験を積むこともそのひとつ。シント・トロイデンはいいクラブ。だけど、ジョエルはもっと上に位置するヨーロッパのクラブに駆け上がることでしょう」

(後編につづく)

◆藤田譲瑠チマ・後編>>「ベルギーでのプレーに活きている世代別代表とJリーグでの経験」


【profile】
藤田譲瑠チマ(ふじた・じょえる・ちま)
2002年2月16日生まれ、東京都町田市出身。ナイジェリア人の父と日本人の母との間に生まれ、小学生時代は町田大蔵FCでプレー。東京ヴェルディの下部組織で能力を伸ばし、2019年9月にトップチームデビューを果たす。その後、徳島ヴォルティス→横浜F・マリノスを経て、2023年7月にシント・トロイデンへ完全移籍。日本代表デビューは2022年7月の香港戦。2024年はパリ五輪出場も目指す。ポジション=MF。身長175cm、体重76kg。

著者プロフィール

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