藤田譲瑠チマがシント・トロイデンで実感 日本とベルギーのサッカーの違いとは (3ページ目)

  • 中田 徹●取材・文 text by Nakata Toru

── 昨年8月は2試合続けて先発しましたが、その後は年末のスタンダール戦までスタメンの機会はありませんでした。どのようなことを改善して、トルステン・フィンク監督の信頼を勝ち得たと思いますか?

「ミスを少し減らそうとはしましたが、特に改善したとか直したことはありません。先発から外れた期間に準備してきたのは、自分を見つめ直して、今のうちに自身の水準を上げること、戦術理解を深めること、フィジカルを上げることを努力しました。それがうまくスタンダール戦で出せたという流れでした」

── リードしている展開だと、藤田選手のプレー時間は長くなります。しかしチームがビハインドを負うと、比較的早くベンチに下げられます。そのあたりに葛藤は?

「そうですね。まあ(葛藤は)あります。でも、それが現状というか......監督の目からは、自分から得点は生まれないと考えられているのかもしれない。

 正直な話、『もっと(自分のプレーの本質を)見てくれ。負けている時にもっと使って試してくれよ。俺が試合の流れを変えられるから』って思います。だけど、そこに関してはもう、歯を食いしばってがんばるしかない」

── 先ほどの話からもわかるとおり、藤田選手は自らゴールを奪うことより、重きを置いているプレーがあるように感じます。チームが負けている時間帯で、どのようなプレーで試合をひっくり返すことができますか?

「得点するというところでは、自分はほかの選手と比べると能力が低く、周囲からの期待値も低い。それでも得点するためには、その過程が必要です。

 それこそさっき言ったとおり、1対1で負けずにボールを奪い、自ら持ち運んでいって時間を作る──といった得点につながる過程のプレーは、このチームのなかでは誰にも負けない自信があります。そういうところを見てほしい一方、自分も最初からもっと出していかないといけないと、同時に思います」

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