日本代表は悪い流れを断ち切れるか W杯予選北朝鮮戦に向けて識者4人が提言 (2ページ目)
【実力が互角なら新しい顔を】
この課題を残したまま次に進むわけにはいかない。問題を解決できるスタッフで臨まないと、過ちは繰り返されると考えるのが自然だ。
悪い流れを断ち切るためには、メンバーもいじらなければならない。アジアカップに欠けていた要素はセンタープレーヤーだ。センターフォワードはスピード系が多く、1トップ下もポストプレーが得意な選手はいなかった。鎌田大地不在の影響は大きかったのだ。
前田遼一というかつてのポストプレーヤーがコーチでいながら、その重要性をなぜ監督に説かなかったのか。鎌田らを選外にした理由について森保監督は「所属チームとの兼ね合いを考慮した」と述べているが、これまでの経緯を見る限り、その鎌田評はけっして高そうに見えない。代わりのいない選手という認識が低い様子だ。南野拓実では弱い。久保建英では収まりが悪いのだ。
もうひとつ、大きな問題は伊東純也。右利きの右ウイングがいなくなると、右ウイングは左利き(久保、堂安律)しかいなくなる。左ウイングは右利きしかいないので(三笘薫、中村敬斗、前田大然)、あらためて伊東の存在が貴重に見える。先のイラン戦(アジアカップ準々決勝)も、筆者はバランス的に右利きの右ウイング不在が響いたと見ている。
ただし人材が皆無というわけではない。右ウイングには、イングランド2部で好調を維持する坂元達裕(コベントリー・左利き)を使ってみたい。堂安にはない縦に出るフェイントがある。加えて三笘的なクレバーさもある。課題だった得点力も急上昇している。
ともかく、チームに刺激を与えるためには思いきった登用が必要で、実力が互角なら(48対52程度であっても)新しい顔を選ぶべきだと考える。そうでないとチームは循環しない。
アジアカップの不成績をあえて前向きに捉えるならば、ヘンにチームが固まらずに済んだと言うことだ。2026年W杯から逆算したとき、ここでの成功体験は仇になる可能性が高い。
現在は依存するものがない状態。ゼロからスタートをきることができるか。それができなければ森保監督は解任されるべきだろう。それこそが北朝鮮戦の見どころになる。
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