森保一監督が分析したカタールW杯の敗因「間延びに気づかなかった」 今後の日本代表は「これまでのやり方を壊す」 (5ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

森保 極論を言うと、全員代えたほうがいいかな、とは思っていました。でも結果的には、アグレッシブに戦えるように前だけ代えて、ディフェンスラインは安定感を求めて代えませんでした。もちろん、1試合目を経験したことで連係は高まってくるということも考えましたけどね。

憲剛 でもコンディションを考えると、っていうことですよね。監督目線で見ると、考えることが山ほどあった試合だろうなって。

寿人 コスタリカ戦はチャンスがなかなか作れなかったですよね。ひとつ思ったのは、堂安(律/フライブルク)がいい切り返しをしてクロスを上げたシーンで、ニアに反応する選手が誰もいなかったじゃないですか。あそこがやっぱり代表の難しさなんだなと。

 堂安があのタイミングで持った時に、たぶんクラブレベルで日常的にやっていれば、ストライカーなら絶対に反応できるんですよ。その積み上げの時間が圧倒的に少ないなかで、どうやって合わせていくかというのも今後、重要な作業になっていきますね。

憲剛 そう考えると、今はだいぶ、イメージが共有されるようになってきていると思います。この間のミャンマー戦だったり、シリア戦のゴールを見ても、(上田)綺世(フェイエノールト)の生かし方みたいなものがだいぶ見えてきた感じがしますから。

寿人 それがワールドカップから1年での積み上げでしょうし、これからさらなる上積みが期待されるところですね。

憲剛 その積み上げに関して言うと、森保さんがこれまで大事にしてきたものと、これから強調していきたいものってなんですか。

森保 継続と積み上げというものはもちろん大事ですけど、一方でこれまでのやり方を壊すというところも考えていかないといけないと思っています。

寿人 壊すんですか?

森保 壊すというか、やっぱり変化していかないといけないなと思っていて。積み上げは絶対的にプラスになるっていうポジティブな要素だなって思っていましたけど、継続だけやってマンネリ化してしまってもいけない。

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