森保一監督が分析したカタールW杯の敗因「間延びに気づかなかった」 今後の日本代表は「これまでのやり方を壊す」 (6ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

 だから、ワールドカップが終わってから、名波(浩)コーチと前田(遼一)コーチに新たに加わってもらいました。これまでやれていたことだけじゃなく、より選択肢を持ってやっていけるような体制を作っていくことが絶対に必要だなと思ったので。今までのベースが正しいとは思わず、それすらも疑って、壊していくくらいのものを持っておかないといけないだろうなと。

── それは具体的にどういうものですか。

森保 自分たちがこれまでやってきたことは間違ってはいないと思っていますが、たとえば選手の評価に関していえば、カタールで最後にメンバーに入れなかった選手でも、名波コーチや遼一コーチの目から見れば、また違った評価になるかもしれない。

 もちろん、見切りをつけた選手はひとりもいないんですけど、これまで選んでいない選手ももう一度見直して、チームを作っていかないといけないというのは感じましたね。

 結局、自分たちはカタールでベスト16に終わったじゃないですか。7試合考えていたと言いましたけど、4試合で終わったわけなので、それは失敗という目線を持たないといけない。そういうことを名波コーチは、ズバズバ言ってくるんですよ。本当にいい人材ですよね(笑)。

 もちろん戦術的なところでも、サイドで起点ができた時にどう崩していくかっていうのはこの4年間の積み上げもありますけど、さらに攻撃の幅が広がってきているなとは感じています。

憲剛 今はどこからでも攻められますからね。しかも相手を見ながら対応できる。それは事前の分析もあると思いますけど、試合中に選手が話しながら対応しているのを見ていると、すごく大人だなっていう感じを受けます。

森保 それも、これまでの4年間があったからだと思うんです。今も「いい守備からいい攻撃」というスタンスは崩していないし、ずっと言い続けているんですけど、縦に早い攻撃、相手の嫌がる攻撃というものをサイドでより作っていけるようになったっていうのは、新たな強みだなと思っていますね。

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