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久保建英は「インテリジェンスがすばらしい」チュニジア戦で見せた真骨頂のプレー (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

【後半の『久保タイム』】

 後半に入ると、『久保タイム』に突入した。

 久保は守田のパスを受け、裏を取った上田綺世にスルーパス。再開のFKでは、敵の虚をつくように伊東へのスルーパスを送った。また、味方のパスを敵ディフェンダーの鼻先でヘディングでコースを変え、敵陣突破を試みる。

 右サイドからカットインし、左足で狙う得意のプレーも見せ、観衆を沸かせた。エリア内でパスを受け、相手に前を塞がれてもコースを見つけ出し、巧妙にシュートを打った。

 サッカーの醍醐味が横溢したプレーの連続だった。自由で創造的で、何をやってくれるのか、という予感が漂う。見えている景色が違い、その点で唯一無二だった。もはやポジションなど小さく古めかしい捉え方にすぎず、彼は別次元にいた。

 そして69分、久保は左サイドへ流れて味方のパスを受けると、相手に引っ張られながらも振りきる。そのドリブルは力強かった。そこで相手DFラインを押し下げると、その手前に生まれたスペースに走り込んだ伊東にクロスを折り返し、ゴールが決まった。

 久保は、アフリカの伏兵を2-0で打ち負かす立役者になっている。

――伊東との共存は?

 そう訊かれた久保は、こう答えている。

「(伊東は)基本、スピードがある選手なので。自分もウィングで、何をしたいか、はわかっているつもりなので。僕のパスが長くなった場面もありましたが、アシストもできたし。使いやすいと言うか、わかりやすい特徴のある選手だと思っています」

 久保自身は誰であっても、どのポジションであっても、その力を引き出す自信はあるのだろう。

「久保はインテリジェンスがすばらしい」

 チュニジアの監督も試合後に絶賛していたが、随所でプレーを読む、もしくは感じるディテールが目立った。例えばFK、相手の壁が跳ぶのを予測し、下を通すシュートなどが典型。ゴールにはならなかったが、優れた洞察力だ。

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