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久保建英は「インテリジェンスがすばらしい」チュニジア戦で見せた真骨頂のプレー (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

【序列を上げたが消耗は不安要素】

 久保はコンビネーションを駆使するのは得意だが、一辺倒ではない。今シーズンはラ・レアル(レアル・ソシエダの愛称)でダビド・シルバが引退したあと、違うタイプの選手の力を引き出している。

 そのたくましさが評判を高めている理由だが、この日も右で連携がノッキングすると、左で作ってリズムを出しながら右で仕留める、という戦いに変更し、周りの選手の最大値を出していた。

「今日のプレーだったら、トップ下のほうがいいと思います。相手にとっても脅威のはずで。右で勝負したい、というのはなくはないんですが。今日も結果に出てますし」

 過密日程での代表活動参加で、確実に序列を上げた。しかし代償は小さくない。消耗は不安要素だ。

「(戻ってすぐ試合という日程は)キツいですね。午後2時キックオフかな? 日本のみなさんはテレビ観戦できる時間だからいいかもしれないですが、僕はキツい(苦笑)。チャンピオンズリーグ(CL)も思った以上にタフだし、負けられない試合が続くので、コンディションに折り合いをつけながら」

 久保は19日にサン・セバスティアンに到着予定で、21日には古巣マジョルカとの一戦を控える。ベストコンディションのはずはない。24日には、ベンフィカとCL。11月はさらに激しくなる欧州戦線に集中するのも一案で......。

「(スペインに戻る)飛行機では睡眠薬を飲んで、スカッと寝られたらいいんですけど」

 久保は自らを奮い立たせるように明るく言っていた。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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