日本代表のトルコ戦の勝因は高い競争意識 前線4人のベストな組み合わせは? (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

【久保建英と古橋亨梧の相性は?】

 日本のアタッカー陣は、BといってもAとの差は紙一重に見える。選手交代枠が5人になったことで、アタッカー陣4人が4人とも入れ替わるケースが珍しくないことも拍車を掛ける。

 堂安(右)、久保(1トップ下)、中村(左)、古橋亨梧(1トップ)。トルコ戦の先発はこの4人で、ドイツ戦は伊東純也(右)、鎌田大地(1トップ下)、三笘薫(左)、上田綺世(1トップ)だった。

 ドイツ戦の終盤には堂安、久保、浅野拓磨が、交代で出場。このトルコ戦には、前田大然、伊東が交代出場を果たしている。

 軸になるのは三笘、鎌田、伊東の3人。左ウイングは堂安、中村、前田、右ウイングは久保、堂安、1トップ下は久保が鎌田を追う。1トップは混沌としていて上田、古橋が互角。浅野が続く展開と見る。

 トルコ戦、前の4人でフル出場を果たしたのは久保と古橋だった。三笘がベンチを温め続けたこともあり、日本のサッカーは久保中心になった。身体を開き気味に構える左利きが真ん中にポジションを取れば、進行方向を読まれやすい。潜在的に大きな問題を抱えながら1トップ下で出場した久保は、Aチームでスタメンを張れない屈辱を晴らそうと頑張った。しかし、この日は古橋とのコンビでも問題が目についた。久保は前を向いてプレーするタイプで、古橋はスピード系だ。この2人が真ん中の高い位置にポジションを取れば、ボールの収まりは悪くなる。

 久保、古橋はそれなりに活躍した。悪かったわけではないが、鎌田の貴重さがあらためて浮き彫りになった試合でもあった。古橋の相手役は久保より鎌田のほうが相応しい。それはその他のスピード系の1トップ候補にも言えることだ。浅野、前田(今回は1トップとしての出番はなかったが)と久保の関係も、良好とは言い難い。

 1トップ下には鎌田が入ったほうがパスワーク、展開とも上質なものになる。その結果、サイドにボールが散るので日本のストロングポイントである、伊東、三笘に活躍の道が開ける。奪われる位置もサイドが多くなるので、リスクは減る。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る