谷口彰悟「センターバックこそゲームメーカーである」パスを出す時は「各停」「急行」を意識 (4ページ目)

  • text by Harada Daisuke
  • photo by Sano Miki

 続く6月20日のペルー戦も、僕はセンターバックとして先発出場することができた。ペルーはさらに力のあるチームで、FWのジャンルカ・ラパドゥラは常に最終ラインを突破する動きというか、オフサイドラインぎりぎりを狙う駆け引きを見せてきた。

 そのため、やはりペルー戦でもコンビを組んだ滉とは、常にどちらが(相手を)見るか、またラインの上げ下げについても、口うるさいくらいにしゃべりながら、そして目を合わせながらプレーした。滉とはカタールワールドカップ最終予選でも一緒にプレーしているし、お互いの特徴やよさを理解している相手なので、やりやすさもあり、集中した守備ができたと思っている。

 一方で、ペルー戦の83分に失点したシーンでは、自分が競り合って弾いたボールの場所が悪く、そのこぼれ球を拾われてシュートを打たれた。チームに対しては、セカンドボールに素早く対応していくことを求めなければいけないと思いつつ、個人としては、あの1本を自分の前にしっかりと弾くことができるかどうかが課題だと感じた。

 たとえ、相手に激しくぶつかられようとも、自分の前にボールを落とすところは、自分自身に対して絶対的に求めていかなければならない。相手にぶつかられたプレーについても、さらに予測して半歩、一歩早く下がって、前に落とせるポジショニングを取ることができたら、あの失点は防げていただろう。

 これはあくまで一例だけど、チーム全体を動かしていくプレーも含めて、自分自身への課題も多く感じ、見出し、そして糧とすることができた2試合だった。

 前回のワールドカップでは、最終予選のさなかに日本代表に選ばれ、カタールでの本大会に臨んだ。しかし今回は、3年後にある2026年のワールドカップに向けて、直近では1月にあるアジアカップを見据えて始動したチームの活動に参加できていることの喜び、幸せ、やり甲斐をあらためて感じている。

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