「一瞬で夢が壊された感じ」セレッソ大阪の若き至宝が痛感した「10番の重み」と「世界の壁」 (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Hector Vivas - FIFA/FIFA via Getty Images

「改めて試合を振り返ってみると、特に右SBの選手は縦への推進力があるっていうのもわかってたなかで、もう少し縦を切るべきやったかなってのは思うけど......。でも、日本の感覚で言えば、縦に誘導させて(ボールを)取るっていうイメージ。あそこをグッて(縦に仕掛けて)くる選手ってなかなかいない。あの距離感で、しかもクマ(熊田直紀)もおって、ふたりで行ってて、完全に取りきれる状況やったと思うんですけど、あそこでグッて入ってくるんが世界かなっていうのは思いましたね」

 そのコロンビア戦から3日、北野は「もっともっと試したいことがあったし、世界相手に『次こそは』って思ってたけど」、最終戦はわずか数分の出場にとどまった。

「結果は結果。でも、この(世界の)基準を忘れずに、次にこういう舞台だったり、こういう相手とやるってなった時は、アイツらに絶対勝つ準備をしたいし、悔しいですけど、やっぱそういう経験を含めて、次にはつながるかなと思っています」

 戦いを終えた18歳の俊英は日本に戻り、U-20ワールドカップ開催中も続いていたJ1という日常の戦いに、また身を置くことになる。

 次への準備は、もうすでに始まっている。

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