「日本代表の不調を鎌田大地が象徴していた」 スペインの名指導者がコロンビア戦を厳しく分析 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 たて続けに局面で敗れ、ポジション的な優位も奪われていた結果だ。

 逆転される前後、森保監督はさまざまな選手の交代を行なっているが、チームレベルを引き上げることはできなかった。むしろ、選手が動揺していたかもしれない。上田綺世のヘディングでの決定機は確かに惜しかったし、久保建英のシュートが味方に当たってしまうシーンなどもあったが、攻撃は単発だった。すべてを出し尽くした伊東に疲れが見えると、攻撃も停滞し始め、逃げきりに入っていたコロンビアから、ラダメル・ファルカオのシュートも浴びた」

 エチャリは90分間を通して厳しい試合だったことを指摘しつつ、最後にこう試合を総括している。

「正直、コロンビアのほうが上手だった。プレーが論理的で、戦術が浸透していた。選手はやるべきことが整理できている印象だった。

 日本は代表歴が浅い選手が目立ったという事情はあるだろう。まだやりたいプレーが明確に見えず、選手とチーム戦術が乖離していた。チームとしての役割をフィットさせるところが新たなスタートと言えるが、このままでは時間がかかりそうだ。

 個人もそうだが、グループとしての早い適応が求められる」

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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