「日本代表の不調を鎌田大地が象徴していた」 スペインの名指導者がコロンビア戦を厳しく分析 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

【ベストプレーヤーは伊東純也】

 日本は、まずバックラインのパス回しが平凡で鈍すぎた。攻撃のコンビネーションで下回り、結果的に守勢に回った。コロンビアの選手のポジションの入れ替えにも混乱していた。

 前半33分、同点に追いつかれたのは自然な流れからだった。右サイドでポジション的不利を作られ、突破を許すと、クロスを上げられる。これに対し、適切なポジションを取るべき鎌田は緩慢な動きで戻れていなかった。絶好のボールをあの距離で叩かれたら、GKが対応するのは難しい」

 コロンビアのほうが明らかに戦術面で上回っていたが、エチャリはポジティブな点も探している。

「日本のベストプレーヤーは伊東純也だろう。劣勢に追い込まれるなかで、ディフェンス面の仕事は際立ったものがあった。攻撃でも、ドリブルから切り込んで脅威を与え、三笘からのパスも呼び込んでいた。両サイドで三笘と連携することで、どうにかチームとしての好守を成立させていた。

 しかし、他のポジションは戦術的劣勢が目立った。センターバックのふたり、ボランチのふたりとも、コロンビアの8番、ホルヘ・カラスカルの動きに翻弄されていた。結果的に、ファウルが多くなった。

 後半、日本は鎌田を下げて遠藤航を投入し、守田と組ませることで、若干、攻守の安定を取り戻したように見えた。しかし、長くは続かない。このふたりのボランチのコンビも噛み合わない。右が守田、左が遠藤というのは、立ち位置が逆に思えるのだが......。

 とにかく、攻勢を強めるコロンビアに、日本は受け身一辺倒になった。50分、完全に後手に回って打たれたシュートがなんとなく出した足に当たり、シュートがバーをかすめたが、個としても組織としても守れなくなっていた。それは前触れだった。61分、ロングボールに瀬古歩夢が競り勝てず、カバーに入った板倉滉もあっさり抜かれ、シュートはどうにかシュミット・ダニエルがブロックしたものの、エリア内のこぼれ球をバイシクルで決められた。

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