日本代表の「国内組」に未来はある? 下剋上を狙うJリーガーの決意「僕たち新しい選手がどうやってこじ開けていけるか」 (3ページ目)
【Jリーグの価値を証明すべく】
ただし、豪快な攻め上がりや鋭いクロスなど、自身の持ち味である攻撃性は示せなかった。
「前半から前に押し込んだところで、なかなかチームとしても自分としても、魅力を発揮できなかったのは悔しい」
そう唇をかんだ21歳は「今、肌で感じた強度をチームに持ち帰り、もっと強くなって、次に呼ばれた時にはしっかり結果を出せるよう、今から準備をしていきたい」とリベンジを誓っている。
バングーナガンデだけではなく、西村にしても、町野にしても、今回の経験は代えがたいものとなったはずだ。世界との距離感、あるいは海外でプレーするチームメイトの距離感は、Jリーグではなかなか体感できないからだ。
「ワールドカップのメンバーはみんな立場的に確立されている状況のなかで、僕たち新しい選手がどうやってそこをこじ開けていけるか。そういうところは意識しているけど、まだまだ弱いなと。もちろん負けるつもりはないですけど、学ぶところはあるので、そこは吸収していきたい」
ウルグアイ戦後に西村が話していたように、国内組が受けた刺激は計り知れない。
ほかにも、今季のJリーグでは伊藤涼太郎(アルビレックス新潟)をはじめ、活きのいいタレントが頭角を現している。細谷真大(柏レイソル)や藤田譲瑠チマ(横浜FM)などパリ五輪世代も着実に経験を積み、さらにその下の世代の松木玖生(FC東京)や熊田直紀(FC東京)も結果を出し始めている。
同時期にU-22代表やU-20代表の活動もあるため簡単ではないだろうが、彼らに刺激を与えるためにも、あるいはJリーグの価値を証明する意味でも、6月シリーズにはより多くの国内組が招集されることを期待したい。
著者プロフィール
原山裕平 (はらやま・ゆうへい)
スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。
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