内田篤人「ロールモデルコーチ」の役割は少し特別...監督にもズバッと指摘「トガさん、それじゃねーんじゃねー?」 (3ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by AFLO

【若手にリアルなアドバイス】

 3年前まで現役だったこともあり、内田さんが選手に送る視線は温かい。内田さんのとなりで取材を受ける髙橋仁胡(バルセロナ)に聞こえる距離で、こんな話をした。

「(ニコは)今日もがんがんオーバーラップしてたけど、思いきっていけるところまで行けばいいんだよ。抑えることはあとからいくらでもできるから、行ける時には思いきって行けばいい。行けなくなる時はくるんだからさ」

 その日行なわれたヨルダン戦(U20アジアカップ準々決勝)で左サイドを何度も駆け上がった髙橋のプレーを思い起こし、自身の経験を重ねながら、同じサイドバックとしてフランクかつリアルなアドバイスを送る。

 内田さんだからできること、ロールモデルコーチだからできること──。混在はしてはいるが、特別な役割を彼がU-20日本代表でこなしていることは間違いない。

プロフィール

  • 了戒美子

    了戒美子 (りょうかい・よしこ)

    1975年生まれ、埼玉県出身。2001年サッカー取材を開始し、サッカーW杯は南アフリカ大会から、夏季五輪は北京大会から現地取材。現在はドイツを拠点に、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材中。著書『内田篤人 悲痛と希望の3144日』(講談社)。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る