よほど選びたくない理由があるのか...森保一監督のメンバー選考に「?」も3年後の結果に直結するプラス材料の行方にも注目 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 だが、今季FC東京では長友を押しのけ、左サイドバックのレギュラーポジションをつかんでいる。いわば、すでにポスト長友の座に就いている選手なのだから、日本代表でも当然名前を挙げられるべき選手である。

 2010年以降、長友の独壇場だった左サイドバックにおいて、これからどんな競争が見られるのか。カタール組の伊藤洋輝(シュツットガルト)も含め、日本代表の再スタート早々、ポスト長友の争いはし烈なものになりそうだ。

 そのバングーナガンデと半田は、U-22代表世代の選手でもあり、同じ時期に同代表が行なうヨーロッパ遠征メンバーの有力候補だったはず。主力選手をA代表に"奪われる"結果となったU-22代表の大岩剛監督にとっては、悩ましいところかもしれない。

 しかし、22歳以下の選手がこうしてA代表に名を連ねることは、当人たちにとって貴重な経験となることはもちろん、同世代の選手の気持ちをざわつかせることにもつながるに違いない。

「もっと(U-22代表の選手が)A代表に絡んでいかないといけないと思っている。もっともっと行ってほしい」

 大岩監督もそう話している通り、そうしたサイクルが活発になることで、「我々(U-22代表)の選手層が厚くなる」というメリットもあるだろう。

 カタールでは、堂安律(フライブルク)、三笘薫(ブライトン)、田中碧(デュッセルドルフ)らの東京五輪世代がブレイクしたように、次のワールドカップでその役割が期待されるのは、現U-22代表のパリ五輪世代。彼らがどれだけ成長するかは、ワールドカップでの結果に直結すると言ってもいい。

 再スタートの初陣にして、早くもA代表に名を連ねるパリ五輪世代の選手が現れたことは、歓迎すべきことである。

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