森保ジャパンの新チームにベテラン勢は必要か 次のW杯に向けたスタート地点で5人の識者の見解は (2ページ目)

  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

【GKひとつをとっても変革は必要】

小宮良之(スポーツライター)

 ベテランか、若手か、で括るべきではない。年齢に囚われると、見えるべきものも見えなくなる。選ばれるにふさわしいプレーをしているか、代表にどれだけの貢献ができるか、を徹底的に基準とするべきだ。

 とは言え、ワールドカップが終わって世代交代を促すタイミングとも言える。

 たとえば、今年で40歳になる川島永嗣(ストラスブール)は自ら「ひとつの区切り」という言葉を使い、代表引退を示唆している。今も十分に戦力になるし、経験者ならではの貢献はできる。しかし、どこかでケリをつけるべきだろう。

 GKひとつをとっても、変革は必要だ。

 カタールW杯、正GK権田修一(清水エスパルス)は神がかったスーパーセーブもあった。しかし、J2にチームを落とした事実は重い。必然か、波も激しかった。

 新しい船出では、実績を上げているGKを登用すべきだろう。シュミット・ダニエル(シント=トロイデン)、中村航輔(ポルティモネンセ)の欧州組2人は筆頭格。昨シーズンのJリーグ最優秀GKで、先日MLSデビューを果たした高丘陽平(バンクーバー・ホワイトキャップス)、ガンバ大阪で定位置を奪った谷晃生が次点か。ほかにも、日本国籍を取得した朴一圭(サガン鳥栖)、年齢を取っ払えば西川周作(浦和レッズ)、菅野孝憲(北海道コンサドーレ札幌)も選出に値するが......。

 実力・実績主義を基本にしながら、全体では世代交代に入るべきだろう。

 その点、長友佑都(FC東京)や柴崎岳(レガネス)はすでに厳しい。吉田麻也(シャルケ)は現チームを踏襲するなら欠かせないが、能動的サッカーに転換するなら、早晩、破綻がくる。台頭著しい攻撃の選手は、違うライン設定を求めるはずで......。

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