中村憲剛と佐藤寿人が解説者としてW杯で得たこと。「一番うならされたのは山本昌邦さん。チュアメニがPKスポットに向かっている時...」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 個人的に一番うならされたのは(山本)昌邦さん。決勝のPK戦でチュアメニがスポットに歩いて向かっている時に、昌邦さんが「120分フルで出た選手は枠外になる傾向が高いんですよ」と言って。その直後にチュアメニが枠を外したんです。その時に、昌邦さんは未来から来たのかなと思いました(笑)。

寿人 昌邦さんとは(ワールドカップ本番前の)カナダ戦の時に一緒に解説をさせてもらいましたけど、いろんな知識やデータが出てきますからね。ノートがあるんですけど、全然見ない。全部頭に入っているんでしょうね。解説者として本当に勉強になりました。

憲剛 伝えるということも、日本サッカーのためには大事なこと。それを僕らの世代も、このタイミングで経験できたのはよかったと思います。

 それぞれ意見があったけど、みんなのベースにあるのは「日本サッカーをよくしたい」という想い。今回はさまざまなところで新しいフェーズに入ってきたなと感じた大会でもありました。プレーする側も、見る側も、伝える側も。毎大会みんなでそうやって進んでいるわけで、着実に日本サッカーはいい方向に向かっていると感じました。

── 早いもので引退されて2年が経ちましたが、おふたりにとって2022年は、どういう年でしたか。

憲剛 漢字一文字で言う?

寿人 全然、思いつかない(笑)。

憲剛 俺は『進』ですね。1年目よりも2年目のほうが着実にいろんなことがやれるようになりましたから。「ホップ・ステップ・ジャンプ」の「ステップ」くらいは踏めたんじゃないかなと。

── では、来年は「ジャンプ」するわけですね。

憲剛 いや、それは正直わからないです(笑)。

寿人 僕は『続』かな。2021年が「ホップ」で、2022年はさらに「ホップ」の段階だったなと。やっぱり今年はワールドカップ関連の仕事で忙しかったので、思いのほかインプットの時間がありませんでした。アウトプットが多かったので、来年はインプットの時間をもう少し作っていきたいですね。

憲剛 カタールワールドカップはインプットだったでしょ?

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