中村憲剛と佐藤寿人が解説者としてW杯で得たこと。「一番うならされたのは山本昌邦さん。チュアメニがPKスポットに向かっている時...」 (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

寿人 そう、まさにそこがインプットだったんですけど、もっとより深くインプットするには、時間が必要だなと思いました。特に僕のなかでは「ストライカーを掘り下げたい」という想いがあるので、そこの部分のインプットをもっとしていきたいですね。

憲剛 来年は何やるの?

寿人 基本的には今年と変わりませんが、A級ライセンスの取得も予定しています。憲剛くんはS級を取りに行くんですか?

憲剛 進むことが許されれば。ただ、S級を受講できるとなれば、年間のスケジュールがかなり変わってくるので、来年の軸になることは間違いないと思います。昨年の引退からC級→B級→A級と取得させていただいたので、ここまできたら行きたいです。

── では、来年末には中村憲剛監督の誕生も?

憲剛 さすがにそれはないですよ。取ったからすぐになれるものではないですから。その資格は持てたと言えるようにしたいなと。

 寿人もそうだと思うけど、年数を重ねていけば、見えてくるものが変わってくるんです。それは進む道に関してもそうだと思います。僕にとって今年はそういう年だったかなと。寿人も来年、A級を取れば、また道が見えてくるんじゃない?

寿人 そうですね。A級ライセンスの取得の時間でまた学ぶことも多いと思いますし、さまざまな発見もきっとあると思います。ただ、指導者だけではなく、形を作るほうにも時間をかけていきたいんですよね。ストライカーは欲張りなんです(笑)。

憲剛 なるほど。人によって考えは違うし、それぞれの道があるね。

── 憲剛さんは、現場に戻りたい感じですか?

憲剛 戻るべき場所という認識は持っています。誤解してほしくないのですが、今の生活は多くの方たちと接することもできるし、やりがいもあるので本当に楽しいです。同時に物足りなさを感じている自分もいて。やっぱり、結果がすべての世界でやってきましたから。

寿人 それを味わえるのは、もう監督しかないですね。

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