サッカー日本代表の次期監督は誰がいいか。識者5人が考えた理想と現実、その理由 (2ページ目)
【サッカーのスペクタクル性を引き出せる監督に】
小宮良之(スポーツライター)
<次期監督に推すのは?>
フアン・マヌエル・リージョ
キケ・セティエン
ジョゼップ・グアルディオラ
森保一監督がカタールで叩き出した結果は、正しく評価されるべきだろう。
しかし「サッカー」の発展性は乏しかった。2010年南アフリカW杯まで時計を巻き戻し、完全なリアクションサッカー。欧州でプレーを重ねる選手がかつてないほど多い陣容だったおかげで、ドイツ、スペインに番狂わせを起こすことができたが、コスタリカ戦はサッカーを示せず、クロアチア戦も勝つべき手立てを失っていた。
森保監督がチームをアップデートできたわけではない。続投の噂が出ているが、選ぶ側の怠慢だろう。有力な監督と交渉しているとは思えない。
もっとも、日本代表監督の年俸は外国から招聘する場合でも3億円が上限で、実際はそれよりもやや低いと言われる。それで"有名監督"を呼ぶには余程の人脈が必要になる。1億円でも来てくれる有能な指導者はいるはずだが、そこもスカウティング力、交渉力が欠かせない。その必然で、日本人監督路線になっているのだ。
現実的人選としては、親日の戦術家で、国外(Jリーグ)での指揮経験がある監督か。フアン・マヌエル・リージョ(アル・サッド監督/スペイン)は強力に推したい。ヴィッセル神戸時代も選手は彼に心酔。サッカーのスペクタクル性を引き出せる。ここだけの話、本人は代表監督には強い興味を持っている。
同じ系統では、キケ・セティエン(ビジャレアル監督/スペイン)。スペクタクルを重んじ、バルセロナも率いた。実は彼をJリーグの強豪に勧め、実際に交渉に入ったが、クラブ側の事情で破談になったことがある。
最後にジョゼップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ監督/スペイン)。彼の友人に「いつか日本代表監督を」という話を振ってもらった時、嫌なことは必ず嫌と言う彼が「いつか代表チームを率いる」と話していた。スペイン代表を率いることはカタルーニャ人の彼にはあり得ず、ぜひ日本代表を......。
3人とも現時点では所属先と契約が残っていて、荒唐無稽な話だろう。しかし、もし来シーズンからでもやってくれる契約を結べるなら――。その間のつなぎは、森保監督でも文句はない。
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