サッカー日本代表の次期監督は誰がいいか。識者5人が考えた理想と現実、その理由 (5ページ目)

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【日本人に向いているやり方】

浅田真樹(スポーツライター)

<次期監督に推すのは?> 
マルセロ・ビエルサ 
ルチアーノ・スパレッティ 
鬼木達 

 ここに挙げた3人の監督は順に、「現実的な可能性がありそうな希望」「実現性度外視の希望」「日本人監督で選ぶなら」のそれぞれの条件で選んでいる。

 まずはマルセロ・ビエルサ(アルゼンチン)だが、かつて指揮をとったアルゼンチン代表やアスレチック・ビルバオでのサッカーに好感を持っており、以前からこうしたアンケートで名前を挙げさせてもらっている。

 マンツーマンディフェンスや縦に速い攻撃をベースにしつつも、ボール保持ができるだけの技術が求められる。比較的細かな戦術を定め、それに沿った練習をするあたりも日本人選手に向いているのではないかと感じる。

 ルチアーノ・スパレッティ(イタリア)もまた、現在指揮をとるナポリが、ヨーロッパで今、一番面白いサッカーをしていることが最大の推し材料。だが、就任の可能性は限りなくゼロに近いだろう。

 最後の鬼木達は言うまでもなく、すでに6シーズンを指揮した川崎フロンターレでの成果を評価してのもの。主力選手が大幅に入れ替わるなか、戦術をアップデートしながら、新戦力をうまく取り込んでいる点に指揮官としての冴えを感じる。

 その時々の状況に応じた試合ごとの戦略の立て方や選手交代も的確で、チームを勝たせる力もある。国際経験に不安はあるが、川崎出身選手が多い現在の日本代表には適った監督かもしれない。

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【profile】
中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ、東京都小平市出身。久留米高校から中央大学に進学し、2003年にテスト生として参加していた川崎フロンターレに加入。2020年に現役を引退するまで移籍することなく18年間チームひと筋でプレーし、川崎に3度のJ1優勝(2017年、2018年、2020年)をもたらすなど黄金時代を築く。2016年にはJリーグMVPを受賞。日本代表・通算68試合6得点。ポジション=MF。身長175cm、体重65kg。

佐藤寿人(さとう・ひさと)
1982年3月12日生まれ、埼玉県春日部市出身。兄・勇人とそろってジェフユナイテッド市原(現・千葉)ジュニアユースに入団し、ユースを経て2000年にトップ昇格。その後、セレッソ大阪→ベガルタ仙台でプレーし、2005年から12年間サンフレッチェ広島に在籍。2012年にはJリーグMVPに輝く。2017年に名古屋グランパス、2019年に古巣のジェフ千葉に移籍し、2020年に現役を引退。Jリーグ通算220得点は歴代1位。日本代表・通算31試合4得点。ポジション=FW。身長170cm、体重71kg。

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