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伊東純也「自分のすべてを出しきれた感じではない」。クロアチア戦を振り返り、自身のプレーについて語った

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • photo by JMPA

 このW杯の試合後では、初めてのことだったのではないだろうか。伊東純也は落ちつかない様子で、しきりにもみあげを触り、何度も頭を搔いた。

「いや、本当に残念です......」

 伊東がこぼした最初の言葉だ。

 日本は、決勝トーナメント1回戦でクロアチアと対戦し、1-1の同点のまま延長戦まで120分を戦って、PK戦の末に敗れた。

クロアチア戦でも何度も仕掛けて、相手守備陣を翻弄した伊東純也クロアチア戦でも何度も仕掛けて、相手守備陣を翻弄した伊東純也この記事に関連する写真を見る グループリーグでドイツ、スペインに勝って、首位通過を果たした日本。クロアチアとの決戦を前にして、伊東はこう決意を口にした。

「正直、勝つことしか考えていないです。個人的には、自分でゴールを決めたいと思っていますけど、(スペイン戦で)ヘディングでアシストしていますから......まあ、チャンスがあれば。ポジションが(3-4-2-1の)ウイングバックだと、ゴールまで遠いので直接狙うのは難しいですけど......。でも、ゴールにつながる動きをしたいですね。もちろん、ゴールも決めたいと思います」

 一時期は同じポジションを競った堂安律が2ゴールを挙げているだけに、「自分も次は」という思いが言葉の端々から伝わってきた。

 クロアチア戦ではゴールこそ奪えなかったが、デザインされたショートコーナーから奪った先制ゴールの一翼を担った。堂安から鎌田大地へ、鎌田から出されたボールを伊東がダイレクトで堂安へと落とし、堂安のクロスから最後は前田大然が押し込んだ。

「あのシーンは練習でやっていた形で、律に落としてダイレクトでファーサイド、というのをやっていたんですよ。それが、いい形で大然のところにこぼれて、ゴールになってよかったと思います」

 伊東は小さな笑みをこぼした。

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