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堂安律はクロアチア戦で日本人最多3得点目にこだわらない。「これほど勝ちたいと思うことはない。歴史を変えたい」 (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

出場停止の板倉滉のためにも

 一方で、前線からの守備も重要だ。たとえば、クロアチアの左CBヨシュコ・グヴァルディオル(ライプツィヒ)は持ち出しを得意とする。いかに封じるか、さらにはそこをいかに突破するか──。

「本当に(グヴァルディオルは)すばらしいタレント。ブンデスでも見ている。僕たちも選手同士で(クロアチアのことを)話し合っていて、真ん中は硬い選手が多いですし、中盤3人と2センターバックは経験のある選手ですけど、サイドを攻略するチャンスはあるのかなと思って。

 今日のトレーニングではいい話し合いができました。ゴールをこじあけるのは真ん中だけじゃない。うまく(相手を)はがせる。解決策は見入れたんじゃないかと思う」

 話し合いの内容にこそ触れなかったが、自信に満ちていた。

 優勝国2カ国を倒し、次に戦うクロアチアは前回大会のファイナリスト。たぎる思いは熱い。

「そうですね、やっぱり選手全員が燃えています。どんな対戦相手でもおそらくこのベスト16っていうのは、全員が本当に体を投げ捨てて戦う覚悟ができている。本当に楽しみにしてほしいですし、ここまで来たら対戦相手は関係ないと思うんで。全部、どの相手もおそらく強いですし、ドイツ、スペインを倒した自信を持って臨めるので、準備はできています」

 また、堂安個人にフォーカスすれば、一大会3得点の日本人選手はこれまでいない。現状でその記録を狙えるのは堂安だけだ。

 だが、「ゴールはうれしいし、記録は狙えればうれしいけど、それは考えていなくて。まずはベスト16の壁を打ち破りたい」とチームの勝利を最優先に考えている。

 時にはオフェンスの選手のエゴがチームを救うこともあるが......と聞いてみたが、一蹴されてしまった。

「いや、もう勝ちたい気持ち、それだけなので。これほど勝ちたいと思うことはないですし、この26人プラススタッフで歴史を変えたい、という気持ちは本当に強い」

 フローニンゲン時代のチームメイトで、つき合いの長い板倉滉は次戦出場停止だ。だが、彼の分まで......とは軽々しく口にしない。

「彼自身が一番悔しいと思うので。落選したメンバーのことについて聞かれた時も言いましたけど、もう『彼の分まで戦う』みたいなことを簡単には言えないです。彼が試合を見た時に誇らしいなと思えるような試合を全員でやりたいと思いますし、彼の力はこれから絶対必要になってくるので、しっかり休んでもらって次につなげたい」

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