先発メンバー変更がコスタリカ戦の敗因とは言えない。日本の力からして、スペイン戦に自力突破の可能性があるなら御の字 (3ページ目)
守備がハマっていなかったのは確かでも、コスタリカ戦はドイツ戦と違い、それほど危ういピンチがあったわけではない。勝ち点3がほしいなら、もう少し我慢して様子を見る手はなかったか。
4-2-3-1のまま、両サイドに三笘と伊東を投入できれば、コスタリカとのミスマッチを逆手にとり、彼らのドリブル突破がもっと威力を増した可能性も十分ある。
指揮官の采配に、初戦で"ボーナス"を手にしたことから生まれる余裕は感じられなかった。
とはいえ、大会前に想定していた星勘定からすれば、2試合を終えて勝ち点3なら御の字。3戦目のスペイン戦で、勝てば自力でグループリーグ突破を決めることができるばかりか、引き分けでもドイツvsコスタリカの試合結果次第で突破の可能性が残るのだから、それほど悪くない状況にある。
「(勝った)ドイツ戦のあとにも話したが、まだ何もつかみとっていないし、何も失っていない。(これまでと)変わらずに、チームとして勝ち点をとりにいかなければいけない」(吉田)
よくも悪くも、日本の力はこんなもの。急に悲観的になる必要はない。
【著者プロフィール】浅田真樹(あさだ・まさき)
フリーライター。1967生まれ、新潟県出身。サッカーのW杯取材は1994年アメリカ大会以来、2022年カタール大会で8回目。夏季五輪取材は1996年アトランタ大会以来、2020年東京大会で7回目。その他、育成年代の大会でも、U-20W杯は9大会、U-17W杯は8大会を取材している。現在、webスポルティーバをはじめとするウェブサイトの他、スポーツ総合誌、サッカー専門誌などに寄稿している。
★中村俊輔選手との鼎談全文(合計33ページ)収録★
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書籍名は「ケンゴとヒサト サッカー人生以外も役に立つサッカーの話」。
ふたりが願う「日本サッカーのさらなる向上」を実現するため、さまざまなテーマに沿って対談形式で本音をぶつけあう。また、カタールワールドカップ直前企画として「ふたりの思い出のワールドカップこぼれ話」、さらにはふたりが熱望した元日本代表MF中村俊輔選手を招いて豪華な「スペシャル鼎談」も収録。プロとして20年近く現役を続けられたふたりの言葉は、「サッカー以外の人生」にもきっと役に立つ。
<中村憲剛さんからのコメント>
「長く第一線でやれたのには理由があります。その要因を紐解くことは、サッカーだけではなく、おそらくサッカー以外の社会や組織にも当てはまること。その『ヒント』になるようなものが、この本には詰められていると思います」
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【profile】
中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ、東京都小平市出身。久留米高校から中央大学に進学し、2003年にテスト生として参加していた川崎フロンターレに加入。2020年に現役を引退するまで移籍することなく18年間チームひと筋でプレーし、川崎に3度のJ1優勝(2017年、2018年、2020年)をもたらすなど黄金時代を築く。2016年にはJリーグMVPを受賞。日本代表・通算68試合6得点。ポジション=MF。身長175cm、体重65kg。
佐藤寿人(さとう・ひさと)
1982年3月12日生まれ、埼玉県春日部市出身。兄・勇人とそろってジェフユナイテッド市原(現・千葉)ジュニアユースに入団し、ユースを経て2000年にトップ昇格。その後、セレッソ大阪→ベガルタ仙台でプレーし、2005年から12年間サンフレッチェ広島に在籍。2012年にはJリーグMVPに輝く。2017年に名古屋グランパス、2019年に古巣のジェフ千葉に移籍し、2020年に現役を引退。Jリーグ通算220得点は歴代1位。日本代表・通算31試合4得点。ポジション=FW。身長170cm、体重71kg。
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