中村憲剛が力説する、W杯でのベテランの重要性。「川島永嗣のひと言で救われる選手もいるはず」 (3ページ目)
永嗣はしっかりとした世界観を持っているからこそ、今もあそこにいられるんです。どんなことがあっても、常に自分を向上させることができるんですよ。どこにそんなエナジーがあるのかと、いつも驚かされますね。苦しいこともたくさんあっただろうけど、落ち込んでいるところはあまり見たことがないです。
パーソナリティが群を抜いていますし、プレーは言わずもがな。今はサポート的な役割も担っていますけど、試合に出たら安定感を担保してくれる。ガーナ戦(6月10日@神戸)で出場した時には好セーブを連発していたので、その時はさすがに『感動した』ってメッセージを送りましたね(笑)」
── 初出場の選手が多いなかで4回目の出場となる川島選手の経験値の高さは、今回の代表にとって、とても重要ですよね。
「今回だけではなく、これまでのチーム作りのなかでも、永嗣のベテランとしての振る舞いはすごく重要だったと思います。経験していることは山ほどありますし、どんな試合でも、どんな練習でも全力で臨む選手ですから、そのふだんの姿勢が中堅・若手にすごくいい影響を与えているはずです。
常にチームのことを考えている選手ですし、カタールでも同じように振る舞うでしょう。強国相手に苦戦が予想されるなかで、試合に出ようが出まいが、永嗣はチームを前に向かせる役割を果たしてくれるはずです」
── やはりワールドカップのような短期決戦では、ベテランの存在は大きいのでしょうか。憲剛さんが出場した2010年の南アフリカ大会では、当時34歳の川口能活選手や楢﨑正剛選手がメンバーに名を連ねていましたよね。
「そうですね。個人的には特に、能活さんにはお世話になりました。毎日のように話を聞いてくれましたし、『ベンチの選手がやらないといけないよね』『出番が来たら絶対やれるよ』と前向きな声をかけてもらえたことを覚えています。
試合に出られないなかで、能活さんは練習から手を抜かなかった。永嗣もその姿を見ているからこそ、同じことができるはずです。日本代表として継承されているものは間違いなくあって、永嗣がそれを伝える役割を何年も果たしています。彼のひと言で救われる選手もいるだろうし、奮い立つ選手もいるはずです」
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