中村憲剛が力説する、W杯でのベテランの重要性。「川島永嗣のひと言で救われる選手もいるはず」 (2ページ目)
プロに入って数年でそのエッセンスを吸収し、ベースにして羽ばたいていった彼らが、世界の猛者たちを相手にどれだけできるかというのは、僕のなかで"ものさし"になります。僕はもう選手としてトライすることはできないですけど、今までの自分の働きかけが彼らのような選手を形成したと言うならば、これからの自分の指導者としての引き出しになる。
今回のワールドカップはある意味で答え合わせみたいなもので、フロンターレでやってきた選手がどれくらいできるかということを、本当に楽しみにしています。もちろん本人たちは、それぞれで努力してきたし、フロンターレを出てからもバージョンアップしているわけなので、それだけじゃないというのは間違いありません。
だけど一方で、彼らは端々にフロンターレで過ごした時間のおかげとも言ってくれています。それは僕にとってもうれしいことですし、フロンターレ関係者も同じ想いにあると思います」
── 憲剛さんの想いも託されているわけですね。
「勝手に託しています(笑)。30歳を過ぎてからいろんなことが見えてきて、風間(八宏/2012年〜2017年@川崎監督)さん、鬼木(達/2017年〜現在@川崎監督)さんの下でプレーするなかで、自分のなかで形作れたものを現役中に若くして入ってきた彼らに、一緒にプレーしながら落とし込んだという自負はあります。
その頃の僕はもう、選手としてはワールドカップに間に合わなかったですけど、僕と一緒にプレーしてきた選手たちが、日本代表にも影響をもたらす選手になった。だから最終予選も見ていて楽しかったですし、今回のワールドカップも楽しみでしかないですね」
── その文脈からは少しずれるかもしれないですけど、最後に同年代で、今なお代表に名を連ねている川島永嗣選手(ストラスブール)についても話を聞かせてください。
「4大会連続ですか。すごいですよね。40になる歳ですから、永嗣にはいつもすごいとしか言えないですね。初めて会ったのは永嗣が高校生の時。中央大の練習に参加した時から彼のことは知っていました。結局、大宮(アルディージャ)に行きましたけど、その後2007年にフロンターレで再会して、海外移籍するまでの3年半を同じチームでプレーしました。
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