日本代表のボランチは2枚か3枚か。どんな組み合わせが理想か。福西崇史が導き出した最適解は? (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 ただその一方で、ボランチの組み合わせを"柴崎ありき"で考えるのはアリだとも思っています。

 なぜなら、中盤で攻撃を組み立てられ、最終的にいいパスを出せるのが誰かと考えた時、組み立ての部分では守田もかなり成長してはいますが、今のところ柴崎かな、と思うからです。アジア最終予選の序盤で森保一監督が柴崎を使い続けたのも、そのあたりに狙いがあったからでしょうし、僕が監督でもそうするかもしれません。

 いずれにしろ、今の日本代表は誰が試合に出ても、それなりにできる力がある。ベスト8以上を目指すなら、遠藤と守田のコンビがずっと出続けるということはないでしょう。

 というより、遠藤が軸になるとしても、ずっと使い続けるのが無理だということは、すでに経験済み。それでは勝ち上がれないことは、結局4位に終わった東京五輪で見えましたし、(4試合消化した)今年6月の親善試合でも見えたことです。

 遠藤にしても、センターバックの吉田麻也にしても、パラグアイ戦、ブラジル戦、ガーナ戦とこなしてきて、4試合目のチュニジア戦は明らかにヘロヘロになっていましたから。

 初戦で遠藤と守田を使ったとしたら、2戦目でどちらかは代えてもいいし、2戦目までの星勘定がよければ、3戦目にふたりとも休ませてもいい。

 とにかく、これまでの日本代表はグループリーグを突破するためにどうするか、を考えてやってきたなかで、4戦目の決勝トーナメント1回戦はすでに消耗しきってしまい、負けてきたという歴史がある。前回のロシア大会では最後にベルギーとあれだけの試合ができたのは、初戦で勝ったことが大きく、3戦目に主力選手を休ませることができたからです。

 もちろん、ドイツ、スペインと同組になった今回は、4年前のような星勘定はできないかもしれません。ですが、それでもベスト8へ行こうというなら、同じ選手をフルに使い続けることは絶対に無理。各選手をうまく休ませながら、上を目指してほしいと思います。

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