日本代表のボランチは2枚か3枚か。どんな組み合わせが理想か。福西崇史が導き出した最適解は? (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 なぜかというと、横に揺さぶられた時、3ボランチだと中盤の3人が横並びになってしまい、攻撃ができなくなる恐れがあるからです。アジア最終予選ならともかく、さすがにドイツやスペインが相手になると、揺さぶられることがあるだろうし、3人が下がってしまうことで(その前方に)生まれるスペースをうまく使われてしまう。「相手のアンカーを誰が見るの?」という状態になった時、(仕掛けていくのは)難しくなると思います。

 ボランチだけのバランスで言えば、遠藤、守田、田中の3ボランチもいいのですが、チーム全体のバランスを考えると、2ボランチのほうがいいのではないかと思っています。

 遠藤と守田の特徴は、まずは守備。間合いのとり方や、追い込み方が非常にうまい。このふたりであれば、次の状況をある程度想定しながら、どこに問題があるかに気づき、そこをうまく抑えられるでしょう。

 もし、今の日本代表にこれといったトップ下の選手がいないのであれば、3ボランチのほうがいいのかもしれませんが、鎌田というヨーロッパでもこれだけやれる選手が出てきたわけだし、その強みを生かさない手はありません。あるいは、南野拓実をトップ下で使ってもいいですし。

 どこに起点を作りたいのかによって選手起用は変わってくるでしょうが、久保建英はトップ下でも、左サイドでも使えるし、三笘薫を左サイドで使うのであれば、トップ下にパスを出せる選手が必要だし......といった具合に、考え方によって前線の選手起用を変えられる選択肢も増えてきました。

 そうしたチーム事情もあって、2ボランチ+1トップ下の三角形。そのほうが強豪チーム相手に戦うには、チーム全体のバランスがよくなるのではないかなと感じています。

 と同時に、ただ守りきるためなら、遠藤をアンカーに置き、守田、田中を加えた3ボランチもいいだろうとは思いますが、相手が強豪と言えども攻めなきゃいけない。そう考えた時、攻撃の手立てのひとつとしてトップ下という駒を持っておきたい。

 というより、そのほうが結果として、前線の選手の守備の苦労も減るのではないかなと思います。

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