中村憲剛と佐藤寿人にとってワールドカップとは?「あれを決めていれば、その1点で人生が変わった」 (3ページ目)
あと、延長戦で左サイドから(本田)圭佑のFKに2列目から飛び込んだんですけど、触ったらオフサイドになると思ってスルーしたんですよ。そしたらGKに弾かれて。僕が先に触っていたら入っていたと思います。
大会後、夢にもよく出てきたくらいです。あれも本当に悔いが残りました。あれを決めていればその1点で人生が変わったと思う。勝てば次はスペインだったし。
佐藤 きっと、違った景色を見れていたでしょうね。代表としても、憲剛くんとしても。
---- 改めてワールドカップはおふたりに、どういった影響を与えたのでしょうか。
佐藤 「ワールドカップに出る」と卒業文集に書いたと言いましたけど、出られなかった今思うのは、「それではダメだな」ということ。もちろん代表に入っている時にワールドカップに出たいという目標はありましたけど、出るだけではなく、ワールドカップでどう戦うかという目線にしていかないと、メンバーに入っていくのは難しい。
それだけ、この20年で日本のワールドカップに対する向き合い方が変わってきていると思います。出るのではなく、勝つために何をするべきか。今の時代では、そういう意識を持つことが大事だなと思います。
中村 僕らが子どもの頃は世界のサッカーを見て楽しむ大会でしたけど、日本はもう7大会連続で出場する国になったわけです。ワールドカップの捉え方は、間違いなく大きく変わってきましたよね。
実際にワールドカップのピッチに立って感じたのは、サッカーはサッカーだったということ。一方で、そこで結果を出せれば、人生は大きく変わる大会でもあるということ。イナさん(稲本潤一)もそうですし、圭佑もそう。その影響力は本当に大きいものだとも感じました。
それだけの舞台に立てたことに対して、何とも表現するのが難しい感情があります。なにせ子どもの頃は、別世界の話すぎて夢にすらなってなかったわけですから。
佐藤 夢ですらなかった選手が、そこにたどり着いたのはすごいことですよ。
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