なでしこジャパンが、ヨーロッパ勢との2連戦で10得点の快勝。海外組と国内組の融合で土台ができた (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 CBとしてペアを組んだ南萌華(三菱重工浦和レッズレディース)もこう語る。

「ボールにアタックできる回数がCBだけでなくボランチ、サイドバックでも生み出せた。紗希さんのところでセカンドボールを生み出すという場面もたくさん出せた。ボランチが出ていくタイミングでしっかりうしろがついていく、そのタイミングをしっかり合わせないとセルビア戦のようないい守備はできない」

 リスクを誰よりも感じ取るCBのふたりも手応えはあったようだ。ただ、これはつないでくる相手、圧倒的なフィジカル差がない相手という前提がある。世界の試合巧者がロングボールを織り交ぜて、中盤を飛ばしたパワー勝負に出た場合など、ここからまた選択肢を広げていかなければならないが、これからのなでしこジャパンにとって、大きな指針となることは間違いない。

 攻撃面では、個とコンビネーションの成長がゴールにつながった。東京オリンピックで悔しい思いをして、海外への道を選んだ選手たちのステップアップは目を見張るものがある。長谷川唯(ウェストハム・ユナイテッド)はサイド、トップ下でコンビネーションの核となり、いつも以上にスパイスが効いていた。

ボランチの林穂之香(AIKフットボール)、サイドの杉田妃和(ポートランド・ソーンズFC)らもしかり。なかでも、フィンランド戦に先発した遠藤純(エンジェル・シティFC)のプレーは際立っていた。

 相手のオウンゴールを誘った日本の先制点は、彼女が立て続けに狙ったDFラインとGK間への高精度なクロスボールがもたらしたものだ。後半には清水梨紗(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)からのマイナスのボールを思いきり振り抜いてゴール。

「来い!とは思っていたんですけど、実は準備はできていなかったので、決まってよかったです(苦笑)」(遠藤)

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