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岡田ジャパン、支持率16%からの大逆転劇。カギは「自己否定」と本田圭佑の登場 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 岸本勉●写真 photo by Kishimoto Tsutomu

 CL決勝トーナメント1回戦で、世界をあっと言わせるプレーを見せた本田は、その時、岡田ジャパンでは完全なサブだった。しかし世界的見地に立った時、それが許されない判断であることに岡田監督は気づいたはずだ。セルティックからエスパニョールを経由して日本に戻っていた中村とは、勢いが違っていることを認めざるを得なかった。

 岡田監督の前には、わかりやすい答えが提示されていた。運に恵まれていたと言うべきかもしれない。しかし、後に当時のある日本代表選手に話を聞けば、こう語っている。「カメルーン戦の前、チームは崩壊寸前だった」と。

「あの試合に勝ったからいいようなものの、負けていたら3連敗は固かった」

 どちらに転んでいてもおかしくない、支持率16%からの大逆転劇は、まさに紙一重の戦いだった。2010年に入ってからW杯本大会にかけての約6カ月には、サッカーの魅力がこれでもかというほど凝縮されていた。あの時よ、もう一度、である。

(つづく)

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