2021.11.14

森保ジャパンに攻撃コンセプト崩壊のデータ。FWへの縦パスが激減している

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

カタールW杯アジア最終予選特集

「勝ち点3は最低限の課題だったので、クリアできてほっとしています」(吉田麻也)

攻撃面で苦しんだ森保ジャパン。大迫へのクサビの縦パスが激減している攻撃面で苦しんだ森保ジャパン。大迫へのクサビの縦パスが激減している この記事に関連する写真を見る  グループ4位の日本は、アウェーのベトナム戦を1-0で勝利し、何とか最低ノルマをクリア。この試合のあとに行なわれた中国対オマーンが1-1のドローで終わったため、第5節終了時点の成績では日本がオマーンと入れ替わり、グループ3位に浮上した。

 ただし、日本が自力で2位以上を確保して本大会にストレートインするためには、依然として1位サウジアラビアと2位オーストラリアとの直接対決で勝たなければならない状況は変わらない。

 しかも、その両国に得失点差4点を離されていることを考えると、大量ゴールを奪う絶好のチャンスだったベトナム戦で最少得点だったのは、後々の痛手となりかねない。その意味では、決してポジティブな勝利とは言えなかった。

 では、なぜ森保ジャパンは5試合で11失点を喫しているベトナムから1ゴールしか奪えなかったのか。なぜ66.9%のボール支配率がありながら、シュートを13本(枠内5本)しか記録できなかったのか。

 今回のベトナム戦を掘り下げてみると、得点力不足の根本的な原因が、前回オーストラリア戦で初めて採用した森保ジャパンのプランD、つまり中盤に3人のボランチを配置する4-3-3にあることが浮き彫りになった。

 森保一監督がこの試合で再び4-3-3を採用した背景には、ヨーロッパ組11人の移動でトラブルが発生し、彼らの到着が試合2日前の深夜になったのも影響した。実際、全体で練習できたのが試合前日の公式練習1時間しかない状況のなか、森保監督は「選手を変えると絵(イメージ)を合わせるのが難しい」と判断し、右サイドバック(SB)山根視来以外は前戦と変わらぬメンバーで同じ布陣を採用したと語っている。

 いずれにしても、前回のオーストラリア戦で露呈した攻撃面のデメリットが、この試合でも同じ現象として表れた。その象徴が、これまで森保ジャパンの調子のバロメーターとなっていた敵陣でのクサビの縦パスの激減だ。