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森保ジャパンに攻撃コンセプト崩壊のデータ。FWへの縦パスが激減している (4ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 両SBに幅をとらせて、ダブルボランチを中心に左右にボールを振って、相手の中盤3人を繰り返しスライドさせれば、縦パスを打ち込むチャンスはぐっと高まるからだ。中央ルートをこじ開ければ、自ずと両サイドのルートを活性化させることもできる。

 しかし、窮地に追い込まれたオーストラリア戦から、4-2-3-1時にボランチでプレーする3人を中盤に配置する4-3-3を採用し続けた結果、それまで掲げてきた攻撃コンセプトも崩壊。結果的に、自分で自分の首を絞める恰好となってしまった。少なくとも、オーストラリア相手ならまだしも、大量ゴールを狙いたいベトナム相手に攻撃の駒を減らした布陣を採用したことは、マイナスに作用した。

 仮に4-3-3で攻撃的に戦いたいなら、中盤の人選を変える必要があった。ただし、その選択をする場合、中盤センターにピボーテを配置するスペイン型、日本で言うなら川崎フロンターレ型に舵を切らねばならず、それはコンセプト自体の変更を意味する。親善試合を組めないなか、それはかなりハードルの高い作業になる。

 果たして、布陣が変わっても我々のコンセプトは変わらないと言い続けてきた森保監督は、新布陣によって生まれた攻撃面の問題をどのように受け止めているのか。次も勝ち点3が最低ノルマとなるオマーン戦は、そこが最大の注目になる。

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