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GK谷晃生がガンバを離れた理由「敷かれたレール」から飛び出した2年前の決意 (3ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「自分で決めた道だったので、試合に出られなくても心が折れることはありませんでした。いつ出番が来てもいいように常に準備はしていましたし、正直、練習では自分を使え、自分を出せと思いながら取り組んでいました」

 爽やかな風貌なだけに、強い口調から熱さが感じられてうれしくなった。

 チャンスが巡ってきたのは、5戦未勝利とチームが窮地に立たされていたJ1第6節・鹿島アントラーズ戦だった。

「前日に『次、行くからな』と言われた時は、『ついに来たか!』と思いました。同時に、ここで結果を出さなかったら、お前はもう持っていないと、自分に言い聞かせていましたね。ただ、不思議と焦りや緊張はなく、決意というか、意志みたいなものが強かったですね」

 結果は1−0の勝利。谷は湘南でのデビュー戦を無失点に抑え、チームを初勝利へと導いた。

「1勝して、『さあ、ここからだ!』ってあとに、川崎フロンターレに(1−3で)負けて、そのまま6連敗してしまったんです。敗戦が続き、再び自分が出られなくなってもおかしくはないという思いは常にありました。

 そのなかで、どうやったらチームが勝ち点を拾っていけるかを考えるようになったんです。中3日、中2日の連戦でしたけど、1試合1試合整理しながらも、負けては落ち込んで、また負けては落ち込んでというのを繰り返しながら、気づいたことがあったんです」

 U−24日本代表として臨んだ東京オリンピック。グループステージや準々決勝のニュージーランド戦で見せてくれた頼もしさにつながる振る舞いだった。

「連敗が続くなかで、自分自身の感情の浮き沈みがプレーに影響することを感じたんです。感情をコントロールして、一喜一憂しないようにすることが安定したパフォーマンスを生む。ガンバ大阪U−23でプレーしていた時にも(監督の)森下仁志さんから『感情をコントロールできるようになれ』と言われていたんです。そのことをあらためて思い出しました。

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