2021.11.03

GK谷晃生がガンバを離れた理由「敷かれたレール」から飛び出した2年前の決意

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

GK谷晃生(湘南ベルマーレ)インタビュー@後編

 湘南ベルマーレの谷晃生が、スポンジのようにすべてを吸収し、膨らみ続けている背景には、ひとつの決断があるように思えてならなかった。

 おそらくターニングポイントは約2年前、2019年の冬にある。

 ジュニアユース時代から育ったガンバ大阪を離れ、湘南に期限付き移籍した経緯について、どうしても聞きたかった。

「GK谷晃生(湘南ベルマーレ)インタビュー@前編」はこちら>>

谷晃生に目指すGK像を語ってもらった谷晃生に目指すGK像を語ってもらった この記事に関連する写真を見る 「移籍する前年(2019年)に肩をケガしたことが大きかったんです。ちょうどその年、A代表ではコパ・アメリカがあり、年代別の代表ではU--20W杯があって、同世代の選手がJ1の舞台で活躍していました。その姿を見て、自分がケガから復帰したあと、どうすればより成長できるのだろうかと考えたんです」

 ケガをしたことで、谷は自分を見つめ直した。身体だけでなく心、サッカーとも向き合った。

「それがきっかけになり、自分が成長できる場所を探したいなと思うようになりました」

 生まれた大阪の街も、育ててくれたG大阪のグラウンドも居心地はよかった。だが、その心地よさが自分の甘えにつながっているのではないかと、自問自答した。

「中学の時からガンバで育ってきて、ある意味、ずっと敷かれたレールに乗ってきてしまったと感じたんです。中学3年の時にユースに昇格させてもらい、高校1〜2年の時からトップの練習に参加させてもらえました。周りの人も、子どもの時から自分のことを知ってくれているので、どこかみんなが親というか、保護者みたいな温かい目で見てくれていた。

 僕は2018年にプロになりましたけど、プロのサッカー選手というよりも、いつまでもアカデミーの選手というか。果たして自分は、プロサッカー選手として、周りと同じ目線で見られているのだろうかと疑問を覚えたんです。そう考えてからは、自分をまったく知らない選手たちのなかでプレーすることで、自分が成長できるのではないかと思いました」