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U-24日本代表、ホンジュラス戦で見えた課題がメダル獲得への重要なカギとなる (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 前半の日本はどんどん縦パスを打ち込み、2人目、3人目が絡んだ厚みのあるコンビネーションを作り出すことができ、前が開けばドリブルで仕掛けることも多かった。前方向への圧力を強めることで、ホンジュラスを押し込んでいた。

 だが、後半に入ると一転、日本はボランチを中心に後方でボールを回す時間を増やした。つまりは、速攻から遅攻へと攻撃の進め方を変えたわけである。

 本番のシミュレーションとしては、悪い判断ではなかった。

「後半の入りも悪くはなかったと思う」

 キャプテンのDF吉田麻也がそう語ったように、前半終了時点での2-0のリードを生かし、うまく試合をコントロールしているかに見えた。

 ところが、意図的だったはずのペースダウンにもかかわらず、それに引きずられるかのように、日本選手の動きも落ちてしまった。足が止まり、セーフティーなパスコースを作れなくなり、ホンジュラスの勢いを引き出す結果になったのである。吉田が語る。

「徐々に流れを持っていかれるなかで、もう一回(流れを)引き寄せるゲームマネジメントをしなければいけなかった」

 ある程度動きが落ちるのは仕方がない。吉田をはじめ、海外組にとってこの時期はオフ明け直後。もちろん、彼らは自主トレなどを通じ、"東京五輪仕様"のオフを過ごしてきてはいるだろうが、まだこれからコンディションを上げていく段階にあるのも事実だからだ。

 しかし、ホンジュラスに試合の主導権を明け渡し、1点を失ったのは、それだけが理由ではないだろう。意図したはずのペースダウンが、図らずも選手の積極性を失わせたり、チームに混乱をもたらしたりした。そんな側面があった可能性は高い。せっかくのいい流れを、自ら手放すような結果になったのはもったいなかった。

 吉田が「(選手が)お互いに流れを理解して、今いくのか、いかないのか。そこに取り組んでいるところ」だと語り、「共通理解」を課題にあげているとおりだ。

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