都築龍太が選ぶ歴代日本人GKベスト10。1位は「鉄板の2人」のどっち? (2ページ目)
9位 鈴木彩艶(浦和レッズ)
今後に期待を込めての9位です。今シーズンはルヴァンカップでの2試合を見ました。彼のことは小学校の頃から知っているんですけど、順調に育ってきているなと感じています。この年代は良いGKが多くて、そのなかで世代別の日本代表のレギュラーを勝ち取るのは大変だと思います。
能力はどれも高いものを持っています。足元の技術も高いし、クロスの対応もうまい。シュートへの反応も抜群です。今年19歳になりますけど、若いのにとにかく落ち着いている。一つ未知数なのが、まだ彼の大きなミスを見たことがないこと。ミスをした後に、そこでの勝負強さをどこまで持っているかは、まだわからないですね。
良いGKの条件は、チームを勝たせられること。「あのGKが出ている試合はいつも勝っているな」というイメージを持たれるくらい、彩艶には存在感のあるGKになってほしいと期待しています。
8位 前川和也(元サンフレッチェ広島ほか)
前川さんは、僕がJリーグを見始めた頃に活躍されていたGKで、シュートブロックや後ろからの存在感に、すごいものがありました。
シュートを打たれる前に動かない、1対1の場面で体全体を大きく使う、何より恐れずに飛び出していける。クラシックなGKだったかもしれないですけど、そういう姿は本当にかっこよかった。大きくて、立ち居振る舞いとか存在感は元マンチェスター・ユナイテッドのピーター・シュマイケル(デンマーク)みたいな感じでした。
僕は高校生の頃に練習生としてサンフレッチェ広島のトレーニングに参加したことがあって、その時に前川さんと一緒に練習しました。当時はちょっと怖いイメージがありましたけど、今ではすごく優しい人です。
息子さんの前川黛也もヴィッセル神戸で活躍して、先日、日本代表にも呼ばれましたよね。プレーぶりもどこかお父さんに似ているところがあると思います。存在感はまだお父さんのほうがありますかね。
松永成立は「Jリーグ開幕時を象徴するGK」と都築氏7位 松永成立(元横浜マリノスほか)
Jリーグが開幕した1993年、僕は中学3年生で横浜マリノスが好きでした。そこでレギュラーとして活躍していた松永さんは、とにかくかっこよくて、憧れでした。
あの頃の日本代表の正GKでもありましたし、GKとして最上級の目標が松永さんでしたね。ハイライトで松永さんのシーンがあると、食い入るように見ていた記憶があります。僕にとって最初のサッカー選手のアイドルは、間違いなく松永さんです。
体のサイズはそれほど大きくないんですが、1対1やクロスに対しての飛び出しは積極的で、ミスがすごく少なかった印象です。あのJリーグ開幕当時を象徴するGKの一人が松永さんだったので、7位に入れました。
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