2021.03.31

田中碧の存在がU-24代表を激変させた「ピッチを上から見ている」

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 代表撮影:日本雑誌協会

 0-1というスコアながら、内容的には完敗だった試合から中2日。東京五輪を目指すU-24日本代表は、U-24アルゼンチン代表との親善試合第2戦を行ない、3-0で勝利した。

 3日前の対戦では1対1の局面で劣勢に回ることが多く、個々の(技術的、身体的なものだけでなく、駆け引きなども含めた)能力の差を見せつけられた。日本はほとんど何もさせてもらえないままに敗れている。

 だが今回は、日本の選手は球際の争いでも激しく戦い、狡猾さでは世界屈指のアルゼンチンの選手を苛立たせ、集中力を失わせるほど優位に立った。

「同じ相手に、しかもホームで(続けて)負けるなんてありえない」

 MF久保建英が試合後に口にした、そんな言葉が象徴するように、日本の選手は腰を引かずに前に出た。

 一つひとつの局面で、簡単に自分たちがボールを失ったり、相手にボールをキープされたりすることがなく、「攻守においてコンパクトにできたのが大きかった」と横内昭展監督。DF瀬古歩夢のロングパス1本でFW林大地が相手DFラインの裏を取った先制ゴールも、コンパクトゆえに生まれたものだった。

 勝ちはしたが、公式記録によれば、日本のシュート数はわずか6本。局面ごとの勝負では負けていなくとも、それを効率よく攻撃へとつなげられなかった様子を物語る数字だ。技術的なミスもかなり目立ち、「腰を引かずに戦っていた」のひと言で称えてしまうのは楽観的すぎる内容ではあった。

 とはいえ、実力上位の相手に対して、ホームアドバンテージも生かし、いかに対抗するか。その点においては、ひとつの解決策を見出したと言っていい。そこで得られた自信は、東京五輪本番に向けての大きな成果だろう。