久保建英も田中碧も日本選手は「無難」。アルゼンチン戦大勝も素直に喜べない (3ページ目)

　その板倉とコンビを組んだ田中碧（川崎フロンターレ）にも同じことが言える。実力があることは認める。安定したプレーを見せていたが、自らの可能性は追求していなかった。強豪アルゼンチン相手に、自分の力がどれだけ通用するか、試していなかった。五輪の最終メンバーに残りたいサッカーをしていた。板倉にしても、田中碧にしても、魅力あふれるプレーを展開したわけではなかった。この日、活躍した選手、魅力的に映った選手は誰だったのか。３?０で勝利したにもかかわらず、パッと名前は出てこない。

　板倉とともに２戦連続スタメンを飾った久保は、レアル・マドリードが保有権を持つ選手だ。両軍合わせて最も格の高い選手になる。アルゼンチン人選手も羨む存在であるはずだが、ピッチ上で一番魅力的に見えたわけではない。この日も第１戦に続き、アタッカーとして物足りないプレーに終始した。

　ポジションはこの日も１トップ下だった。第１戦でも述べたが、そのドリブル技術は、サイドでウインガー然とプレーしたほうが断然、生きると思う。

　総じて日本には萎縮したムードを感じた。若手らしく、もっと自由にのびのびと思い切ったプレーを演じてほしいものである。