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サッカー日本代表選手にも早熟型と大器晩成型が 期待の久保建英が停滞している理由は何か

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki Sugiyama

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連載第113回
杉山茂樹の「看過できない」

「運が結果に占める要素が3割ある」と言われるサッカーは、番狂わせが起きやすいスポーツである。勝因が運やまぐれ以外の何ものでもないという、評論することが難しい試合にかなりの頻度で遭遇する。目利きと言われる人やプロのブックメーカーでさえ当たり前のように予想を外す。

 とはいえ、キックオフの笛が鳴ってほどなくすると、徐々に試合の全貌が見えてくる。試合開始10分後に予想すれば、的中率は大きく跳ね上がる。筆者の場合はそんな感じだ。見えにくかった輪郭が、少しずつ鮮明になっていく感覚を味わうことができる。

 しかしその一方で、何十年もこの稼業を続けていながら、いまだ解けない不透明な問題も筆者は抱えている。若い選手を見る目、その将来性を読む力だ。どこまで伸びるか。どのレベルまで行きそうか。その見極めに必要な「これ」という物差しのようなものは見つかっていない。順調に伸びる選手はとにかく少ない。

10代の頃から将来を嘱望されてきた日本代表の久保建英 photo by Kazuhito Yamada/Kaz Photography10代の頃から将来を嘱望されてきた日本代表の久保建英 photo by Kazuhito Yamada/Kaz Photography 先日まで行なわれていたアジア大会の決勝で、日本は韓国に惜敗した。オーバーエイジ3人を含むU-23の編成で臨んだ韓国にU-21で臨んだ日本が互角に渡り合う姿は、頼もしく映ったものだ。しかしそのなかから近い将来、何人がA代表に定着するか。確信を抱くことはできなかった。

 アジア大会で韓国に決勝で敗れた一戦といえば、想起するのは2018年のインドネシア大会だ。この時のメンバーを見ると、9月、10月のA代表4試合に招集された選手は3人(板倉滉、前田大然、上田綺世)のみだった。故障で離脱中の三笘薫を加えても4人。森保一監督が指揮を執っていたにもかかわらず、だ。

 その三笘のこの時の出場時間は全7試合で136分前後。その後、最も出世することになる三笘がこの時の主力でなかったことがそこに見て取れる。ともすると金の卵のような集団に見えるU-21日本代表だが、その将来性は実のところ不透明だ。バラ色というわけではない。順調に育つ選手は本当に少ない。

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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2026年北中米大会で12回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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