福西崇史が歴代日本人ボランチを格付け。ピッチを支配した名手ベスト10 (5ページ目)
福西氏が、能力や存在感など総合的に見て1位に選んだのは、遠藤保仁だ1位 遠藤保仁(ジュビロ磐田)
ヤットは一緒にプレーしてやりやすかったし、誰と組んでも一定の力を発揮し合えるサッカー観を持ってるボランチですね。
ボランチに必要な基本技術のレベルが高いから、安心感があります。あと周りの選手の良さを引き出しながらカバーをすることもできる。もちろん、ゲームメイク能力にも長けているので、チームへの貢献度は非常に高いです。
チームが良い流れの時は、ヤットの出る幕はあまりないかもしれない。でも何か変化が必要な流れの時こそ、彼の存在感は大きくなります。素早い判断でチームをコントロールしたり、ゲーム自体をコントロールしたり、そうした全体をコントロールして流れを引き戻す能力が本当に優れていますね。
実際に対戦する時もすごく嫌な存在でした。ひとりで何かをしてくるタイプではないんですけど、決定的な場面のどこかで関わってくる。ラストパスもそうだし、代名詞のFKも本当に脅威でした。守備でも複数で取りに行く時に彼のコントロールは利いていましたし、攻守にわたって要所に必ず彼が立ちはだかってきましたね。
そして代表で歴代トップの152試合出場は、本当に偉大な数字だと思います。どの監督になっても必要とされる選手で、その期待に応えるパフォーマンスを発揮し、なおかつコンディションを維持してきたということ。
ケガをせず、41歳になった今でも現役でいられるのはすばらしいですね。能力や存在感など、総合的に見てもヤットが歴代1位のボランチだと思います。
福西崇史
ふくにし・たかし/1976年9月1日生まれ。愛媛県出身。新居浜工業高校から1995年にジュビロ磐田入り。ボランチのポジションで活躍し、チームの黄金期の主力としてプレーした。日本代表では02年日韓W杯、06年ドイツW杯に出場。国際Aマッチ64試合出場7得点。その後、FC東京、東京ヴェルディでプレーし、2009年に現役引退。現在は解説者として活躍中。
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