久保建英のポジションの最適解は。五輪世代にとって次戦は「追試」だ (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by Getty Images

 そうなれば、コートジボワール戦は東京五輪世代にとって、2019年6月のコパ・アメリカの再現、あるいは、前述のコロンビア戦の"追試"といった位置づけとなる。

 ブラジルで行なわれたコパ・アメリカには、22歳以下のメンバーを中心に5人のオーバーエイジを加えて戦った。結果、2分1敗でグループステージ敗退に終わったが、22歳以下の選手たちは岡崎慎司や川島永嗣、柴崎岳といったワールドカップ経験者たちと同じピッチに立つことで、得難い経験をしたようだった。2試合で先発した久保が言う。

「川島選手や岡崎選手といった経験ある選手は、自分たちにはないものを持っているし、試合の入り方は、自分たちにはガムシャラさがあるぶん、彼らには冷静さがあると思います。違う角度から物事を見られているなとも感じますし、苦しい時にも率先して声をかけてくれたり。勝ちたいと思った時に自然と出てくるものなのかな、と感じました」

 一方、コロンビア戦には苦い思い出がある。

 2017年12月にチームが立ち上げられて以来、国内で行なう初の親善試合。堂安、久保、板倉といったすでにA代表に選ばれている選手たちも招集し、ベストの顔ぶれで臨んだものの、連係不足、コミュニケーション不足を露呈し、0−2と完敗したのだ。

 なかでも、2シャドーに入った堂安と久保は彼ら同士だけでなく、1トップとも連係がうまく取れず、俺が、俺が、という感じで仕掛けては潰され、チャンスを作れなかった。合流間もない試合でぶっつけ本番だったから仕方のない面があったにせよ、期待外れの出来に終わった。

 コロンビア戦の翌月に行なわれたジャマイカ戦では、キャプテンの中山が中心となって活発な議論をかわすと、攻守に連動したサッカーでジャマイカを圧倒。9−0の大勝を飾り、コロンビア戦での失態を解消したが、ジャマイカ戦には久保も、堂安も、三好も参加していない。

 だからこそ、コートジボワール戦は、"追試"になりうる。

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