森保采配における変化の兆候。レアケース発生で3バック化は加速するか (5ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 日本サッカー協会●写真 photo by ©JFA

 とはいえ、ボランチのパス供給と同じく、後半のクロスのうち5本は後半25分以降のものであり、日本のシステム変更が直接的に影響したというよりも、むしろ選手交代と選手の疲労によってカメルーンの圧力が低下したのが大きく影響したと見られる。その意味でも、ボール奪取後の攻撃バリエーションとその精度を含めて、まだまだ森保ジャパンの3バックシステムには改善点が多い。

 注目は、13日に行なわれるコートジボワール戦で、森保監督がこれまで基本布陣としてきた4バックを採用するのか、あるいはオプションとする3バックを使うのか、という点だ。ゴールレスドローに終わった今回のカメルーン戦で手にした材料と、コートジボワールの実力を考慮すれば、4バックより一定の効果を示した3バックを採用する可能性は高い。

 しかも、この試合で出場機会がなかったメンバーの顔ぶれを見ても、3バックのほうが選択肢も増える。たとえば3バックには植田直通、吉田、冨安を並べることもできるし、板倉滉も3バックとボランチに対応可能だ。また、右ウイングバックは酒井、室屋成、伊東、左ウイングバックには原口、安西、もしくは左右に対応する菅原由勢もいる。

 果たして、今回のカメルーン戦をきっかけに、森保ジャパンの3バック化は加速するのか。森保監督が見せた采配の変化に継続性が見られるのかどうかも含めて、コートジボワール戦最大の見どころは指揮官のベンチワークになりそうだ。

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