森保采配における変化の兆候。レアケース発生で3バック化は加速するか (2ページ目)
試合は、序盤からカメルーンペース。GKを使いながら、左右の幅をとって速いテンポでボールを動かし、日本の前線からのプレスを回避した。しかし、ペースを握った最大の要因は、守備面で日本の心臓部でもあるダブルボランチをインサイドハーフのふたりが消していたからだ。
そのため日本は、相手3トップの圧力を浴びる最終ラインから、前線へ可能性の低いロングパスやミドルパスを強いられた。その結果、ボールを相手に渡してしまい、再び攻撃を受ける悪循環に陥った。
これは、過去の森保ジャパンの試合で何度か見られた、"日本封じ"の典型的パターンだ。昨年11月、格下のキルギスにベストメンバーの日本が苦しめられた時もそう。キルギスの布陣は3-5-1-1だったが狙いは同じボランチ封じで、日本の最終ラインは「ボールの出口」を見つけられず、チームとしてペースをつかめなかった。
しかも今回の相手は、身体能力も含めた個の能力が高いカメルーンである。無理して出したパスが相手の伸ばした足に引っかかるシーン、あるいはデュエルに負けてボールを失うシーンなどが重なると、日本がペースをつかむのはさらに困難になった。
そんな状況でとりわけ顕著だったのが、日本の左サイドの裏を突かれるシーンだ。攻撃的なポジションをとろうとする安西のポジショニングが、周囲との距離感を中途半端にし、それをカバーすべく左ウイングの原口、ボランチの柴崎、あるいは左CB冨安もそのエリアの火消し役としての対応に追われた。
14分、攻守が入れ替わったあとにトコ・エカンビ(11番)が右サイドのスペースでパスを受けてクロス、エンガマル(10番)がヘディングシュートを放ったシーンは、その典型だ。幸いシュートはわずかにバーを越えたが、以降24分、28分と、日本が左サイドを破られるシーンはつづいた。
逆に、日本がフィニッシュにつながるよい攻撃を見せたのは、前半で2度あった。ひとつは19分、前にスペースを見つけた中山が飛び出して右サイドの堂安からパスを受け、それをダイレクトで前方の南野に縦パスを入れたシーンだ。
2 / 5