大久保嘉人が語る東京五輪世代
「久保、堂安らのレベルは高いけど...」 (4ページ目)
OA(オーバーエイジ)枠の使用についてはどうか。
「オレらの時は(小野)伸二さんが来てくれたけど、前の攻撃の選手としてはありがたかった。周囲が見えているし、絶対にパスが出てくるからね。
でも、伸二さんは大変だったと思う。すべてのメンバーについて、どんなプレーをするのか、どんな性格なのか、短期間で頭に入れないといけないし。年上だけど、結構気を遣っていたと思う。
それでも、メダルを獲るためには、OAの選手は絶対に必要だなって思う。もちろん、OAの選手が入ったからOKじゃなくて、そこでチームがどうするか、ということが重要。OAの選手に合わせるのか、(チームの)ベースとなってきたメンバーに合わせるのか。オレは、東京五輪のチームはベースとなる久保や堂安に合わせたほうが、うまくチームは回ると思っている。
みんなが、久保と堂安にボールを預けて、他の選手はふたりのためにサポートする。バルセロナの"メッシを生かす"みたいな戦い方。そのほうが、チームとして機能すると思う」
アテネ五輪では小野がOA枠で招集され、それまでベースとなってきた選手たちも皆、その"天才"を常に見てしまった。伸二さんが何とかしてくれる――チーム全体が小野依存となり、既存の選手たちの自主性が欠けてしまった。
その分、小野への負担が大きくなってしまったのだが、逆に自分たちが「小野を使う」くらいの気持ちでプレーしていれば、また違う結果になっていたのではないか......。大久保が既存のメンバーを重視するのは、当時の反省を踏まえてのことだろう。
東京五輪世代は、すでに海外でプレーしている選手や、Jリーグでも所属クラブでレギュラーとしてプレーしている選手が多い。そのなかで、大久保がとくに期待している選手はいるのだろうか。
「久保と堂安だね。A代表を経験している選手として、その違いを見せてほしい。あと、コウキ(小川航基/ジュビロ磐田)。ジュビロで苦しんで、昨年は(期限付きで移籍した)水戸ホーリーホックでがんばって、点も取った。下手くそだけど(笑)、五輪代表に選ばれて、活躍してほしい」
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