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2020年、福田正博が森保ジャパンの中盤と前線で期待する選手は? (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 もちろん招集メンバーを決めるのは森保監督だが、彼は自らの立場よりも日本サッカー全体のことを考えていると言える。だからこそ、日本サッカーの抱える問題や課題の解決に向けて、代表と五輪代表の監督兼務という難しい役割のなかで、自らの立場が危うくなることを恐れずに、そのメリットを最大化しようとしているのだ。

 五輪世代の選手たちはコパ・アメリカ(南米選手権)やE-1の舞台で、フル代表ならではのハードな当たりを経験できた。2020年は五輪自国開催という大きなプレッシャーがあるものの、フル代表でのこうした経験が生かされるはずだ。

 日本代表の個々の選手に目を向ければ、E-1で久しぶりに代表に戻ってきた大島僚太の存在感が際立っていた。森保ジャパンでは今年、ボランチで15人の選手が招集されたが、ファーストチョイスは柴崎岳だった。しかし、大島の復調次第で、2020年以降のヒエラルキーが変わる可能性は十分にある。

 大島の課題は、故障の多さをどう克服するかだ。チームの中軸に考えている選手が故障離脱すれば、ほかのポジションへの影響は小さくない。大島は2016年リオ五輪予選の頃は壁にぶつかっていたが、リオ五輪本大会では殻を打ち破った実績があるだけに、2020年はたくましくなって飛躍してくれることに期待している。

 中盤の攻撃的なポジションは、17選手が招集された。南野拓実、久保建英、堂安律、中島翔哉、伊東純也、原口元気といった選手が中心ではあるものの、このポジションはレベルの高い選手がひしめいている。代表に招集されなかった選手も含め、五輪世代には三好康児、森島司、遠藤渓太、安部裕葵、中村敬斗、飯野亮太郎などがいて、Jリーグ得点王の仲川輝人、ガンバ大阪に復帰して輝きを取り戻している宇佐美貴史、また、香川真司や乾貴士らベテランもいる。
 
 リバプールへの移籍が決まった南野や、リーガで成長を続ける久保が中心になって、2020年はさらに攻撃的な中盤の選手たちが日本代表のレベルを引き上げていくだろう。2018年は日本代表でもっとも輝いたと言ってもいい堂安も、2019年は代表で輝けなかっただけに、2020年は期するものがあるはずだ。高いレベルでのポジション争いを楽しみにしている。

 日本代表にとって最大の懸案事項である1トップには、今年は12選手が招集された。大迫勇也、上田綺世、鈴木武蔵、永井謙佑、武藤嘉紀、北川航也、鎌田大地、岡崎慎司、田川亨介、小川航基、前田大然、オナイウ阿道。

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