久保建英だけじゃない。福田正博が多士済々の東京五輪世代の現状を分析

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLOSPORT

コロンビア戦ではいいところなく敗れたU-22日本代表コロンビア戦ではいいところなく敗れたU-22日本代表福田正博 フットボール原論

 12月28日にU-22ジャマイカ代表と対戦するU-22日本代表は、11月のU-22コロンビア代表との国際親善試合では0-2で敗戦。東京五輪世代にとっては厳しい現実を突きつけられた試合だった。

 U-22コロンビア代表の強さが際立った結果もさることながら、内容でも課題が浮き彫りになった。選手たちは、このままでは東京五輪でのメダル獲得は難しいという危機感を覚えたのではないか。

 このコロンビア戦は、A代表でプレーする堂安律(PSV)と久保建英(マジョルカ)が五輪代表チームに融合したときに、どういう化学反応を起こすのかを楽しみにしていた。

 しかし、堂安と久保が共存できることはわかったものの、ほかの選手との連係に関して言えば、化学反応を起こせずに、ふたりとそれ以外の選手たちが、分離してしまったような印象だった。

 U-22代表の2019年の流れを振り返れば、6月にトゥーロン国際大会で日本史上初の準優勝。決勝戦でU-22ブラジル代表と1-1の引き分けながら、PK戦で4-5という惜敗。これは、コパ・アメリカに出場した主力を欠きながら、サブメンバーたちが躍動した結果だった。

 さらに10月のブラジル遠征では、トゥーロン国際大会で敗れたU-22ブラジル代表に3-2で勝利。相手のホームスタジアムで、1点ビハインドからの逆転勝ちは、来夏に向けて順調にチームが力をつけているように感じられた。

 そうしたなかで、堂安や久保が合流した試合が先日のコロンビア戦だったが、結果は厳しいものになった。東京五輪世代にとって直近の目標は来夏の本番であり、次の目標がW杯日本代表入りにあると考えれば、このタイミングでの敗戦が「良薬は口に苦し」となってくれると期待している。

 過去の五輪日本代表は国内組が圧倒的に多かったが、東京五輪世代では海外組が増え続けている。堂安と久保以外にも、板倉滉がフローニンゲン(オランダ)、中山雄太がズウォレ(オランダ)、菅原由勢がAZ(オランダ)、三好康児がアントワープ(ベルギー)、食野亮太郎がハーツ(スコットランド)、前田大然がマリティモ(ポルトガル)でプレーしているほか、バルセロナB(スペイン)の安部裕葵らもいる。

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