スペインの知将が指摘。森保ジャパンの3バックが改善すべきポイント

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

「3-4-2-1のシステム自体は、ベルギー代表が使ってヨーロッパでも注目されているし、それそのものに問題はない。戦いにおいて、有効なひとつのオプションとなる。深さ、広さを取れる点で、実は4-2-3-1や4-4-2よりも、応用性は高い。ただ、システムを運用するだけの選手の技術、適性、そして戦術的練度が必要になる」

 スペイン人指導者、ミケル・エチャリ(73歳)は、E-1サッカー選手権で韓国に1-0で敗れた日本の試合をスカウティングし、その意見を述べている。

 エチャリは今年3月まで、バスク代表監督として15年以上、活動してきた。同時に名門レアル・ソシエダで20年近く、強化部長、育成部長などの要職を経験。エイバルでは監督として2シーズン、指揮を執り、アラベスではGMも務めた。選手としてホセバ・エチェベリアやシャビ・アロンソらを、監督ではフアン・マヌエル・リージョなどを育てた名伯楽で、バスクサッカーにおける重鎮と言える。

「日本国内では3-4-2-1に対しての批判もあるようだが、テストすることは間違いではない。むしろ、悪くない試みと言える。ただ、いくつか指摘するべき点はあって、私が日本で直接、戦術的アドバイスをしたいくらいだ」

 そう語るエチャリの森保ジャパンへの提言とは――。

韓国戦の日本は、ミスから多くのボールを奪われていた韓国戦の日本は、ミスから多くのボールを奪われていた「韓国戦で、森保一監督率いる日本代表は3-4-2-1のシステムを採用していた。テストの意味合いが強いのだろう。私が今までスカウティングしたことのない選手も少なくなかった。

 そして試合をリードしたのは、4-1-4-1の韓国だった。

 韓国の選手は、技術的にはそれほど高いレベルにない。しかし、直線的なプレーを得意とする。フィジカル的な優位性を生かし、とにかくプレー強度が高い。厳しい寄せでボールを奪い、一気に敵陣へ持ち込むカウンターに特化。単刀直入に言って、縦に対しての気持ちが強すぎる印象は持ったが、戦術的によく訓練され、ポジショニングも悪くなかった。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る